Idris Muhammad - Power Of Soul

 このレコードも好きだ。ジミヘンのカバーから始まるんだけど、いい意味で全く別の曲に仕上がっている。ギター1本で曲を表現しきるJimi Hendrixの曲をカバーしてるんだから同じように演奏できるわけもなく、別の曲になって当然といえばそうなんだが、、、たとえば、バンド演奏しているジミヘンの曲を聞いた後に、その曲を頭の中で再生してみたら、始めから最後までギターと彼の歌声しか再生できないはず、他のメンバーには悪いけどそれしか記憶に残ってないんだもの、、それだけ強烈な印象を与える演奏をする彼を、今でもたくさんの人がリスペクトするのもうなずける。
そんな彼の曲をカバーしたA1は、原曲とは一変して、各自の演奏を随所でアピールしていて、聞き応え十分、ジミヘンの曲をこんな聴かせ方をするのもかっこいいな。メインのメロディーを力強いホーンで表現しているのもまたいい、原曲の力強いロックを彼ららしく表現した感じがとてもよく出ている。やはりこれもまたPower of Soul!それぞれの演奏の良さを書ければいいんだが、それは巧みな文章で表現できるヒトにおまかせしやす。

 そんな熱い曲が終わったと思ったら、とろけるような出足でPiece of Mindが始まる。Bob James作のナイスミディアムテンポ。クロスオーバーテイストな曲の上をトランペットソロが続き、Bob Jamesのエレピソロにシフトする。エレピの音色が好きな自分にはこのシンプルなエレピソロがこの曲のハイライト、うむー、でも上音がエレピだけになるとベースとドラムのリズムパートの渋いグルーヴがすっごく際立ってくる、特にテクニカルなプレイをしているわけでも無いのに!音の量からいえば目立つのは当然なんだが、えも言えぬ存在感がある。Gary King、Idris Muhammadすごいな。。

 そしてGrover Washington,Jr.の曲、B2のLoran's Danceに注目してみる。この曲はなんというか、ジャジーだ、静かなエレピから緩やかに始まっていく、遅めのテンポのこの曲は、それぞれの演奏がふわっと優しく聴こえてくる、静かな、大人の熱気みたいな感じで。そして途中、まるで感情を抑えきれなくなったようにGrover Washington,Jr.のテナーサックスが吹き乱れるんだが、この流れと、ソロが終わってからまた落ち着くという流れが、ドラマチックで好きだ。この流れが曲のタイトルと関係してるかどうかも気になる。

 ニューオリンズ生まれのドラマーIdrus Muhammadのリーダー作であるこのアルバムPower of Soulは、1974年にCTIのサブレーベルのKUDUからリリース。キーボードはBob James、テナーとソプラノサックスでGrover Washington,Jr.、ベースはGary King、ギターはJoe Beck、パーカッションはRalph MacDonald、フリューゲルホーンとトランペットをRandy Breckerが演奏。
ジャケは、いかにもKUDU、、加工された本人の顔写真が、、なんかのニュースで放映されてても違和感のない妙な雰囲気を醸し出している…