Grover Washington,Jr. - Inner City Blues

 ぶっとんだ兄ちゃんがやってた古着屋が奈良にあって、、、全身刺青で、首から足首まで、顔以外まさに全身!ジョイントを吸いながら接客をして、おかげで店の中は煙とその匂いで充満していた、、客がいてるなか、目のまわりを真っ赤にしながらひたすらウッドベースを弾いていた。。彼は本当にぶっとんでいた!好奇心旺盛な歳だった自分は、ヤバい音楽教えてくださいって言ったらすかさず、Grover Washington,Jr.を聞くべきだ!って言われ、帰りにCDショップに寄って買って帰ったのを思い出す。その兄ちゃんはアメリカへ行ってしまったので、もうその古着屋は無いんだが、Grover Washington,Jr.を聞く度にその兄ちゃんを思い出す。。

サックスプレーヤーのGrover Washington,Jr.のファーストアルバム、Inner City Bluesは1971年にCTI傘下のKuduからリリースされた。
そんな今作は、シンプルなリフだけど印象に残るベースラインのMarvin Gayeの名曲、Inner City Bluesで始まる。そんなベースとIdris Muhammadのドラミング、そしてカッティングギターを目立たせ、渋いダンサブルなのりを作る。前半の長尺ギターソロが確実な演奏で聞き手のテンション上げていき、後半、Grover Washington,Jr.の激しいソロがそのテンションを昇天まで導いてくれる。ナイス構成。

A2、Georgia On My Mindはストリングスをフューチャーしたムーディーな曲、Grover Washington,Jr.の伸びやかな、歌うようなプレイががっちりと心をつかんでくれる。A3のMercy Mercy Me(The Ecology)もMarvin Gayeの名曲。フェードアウトしていくタイミングに意標を突かれる…。

B1は、Bill WithersのファーストアルバムJust as I amからのカバー、Ain't No Sunshine / Theme From "Man And Boy" / "Better Days"。原曲Ain't No Sunshineは、たくさんの人がカバーしている名曲。Grover Washington,Jr.の伸びのあるプレイを軸に、ギター、オルガン、ストリングス、コーラスなどで、めまぐるしく展開し、途中ホーンアンサンブルが山場を作る。そしてまた静かにオリジナルメロディーが始まり、また盛り上がっていくという、、Bob Jamesのアレンジが、起伏の激しい、スケールを大きくした曲に変貌させている。

収録曲はMarvin Gaye、Bill Withers、Miles Davis、Buffy Sainte-Marie、Hoagy Carmichaelらの曲のカバーで構成。これらのアレンジをBob Jamesがしている。
この選曲といい、聴きやすいアレンジといい、ジャズの大衆化を図ったCreed Taylorの狙い通りのアルバムなのでは、、、もちろん1971年なりに。。そしてGrover Washington,Jr.はこれを皮切りに、このような空気感のクオリティーを高めながら、ビシバシと名作を発表していく。
あと、残念な事に、1999年12月19日に57歳で他界している。

ジャケットは、枠の中に写真、、いかにもKuduらしい。今作は徹底的に茶色にこだわったようで、、裏ジャケの写真といい、とても茶色だ…